里山環境クイズ

第一問:整備された公園と一体どこが違うの?


ひとたび公園として整備されると、道路、遊歩道が走ったりして生態系が分断されます。里山もなくなり、 生態系に壊滅的なダメージが与えられます。整備された公園では、南山にいるような多様な生物を維持する ことが出来なくなる可能性が大です。森で出会ったカミキリムシを研究している方は、南山だけで、 確か80種以上のカミキリムシが生息していると言っていました。野鳥のさえずりの多さからも、 整備された公園にない南山の豊かさが理解できます。


第二問:どうしてタヌキが住んでいるの?


答えは、タヌキさん達の餌が豊富だからです。イベント会場の上には、タヌキの『ため糞場」があり 複数のタヌキが利用しています。これが森の栄養となって木を育て、その果実や木の実をタヌキが食べたりしています。 また落葉や倒木などを菌類やバクテリアが分解して消化しやすい餌(デトリタス)を作ります。この栄養豊富な餌は、 ミミズが食べ、ミミズをモグラやネズミが食べ、さらに上の生態系がこれを餌として利用します。 イベントで配られた資料の絵を見てければこれが描かれています。


第三問:なぜオオタカ、ノスリ、ハヤブサがいるの?


これも餌が豊富だからです。豊富なデトリタスを食べたミミズ君は、モグラの格好のご馳走です。 カエルや、トウキョウサンショウウオなどの両生類、爬虫類やネズミも食べて数を増やします。 穴からちょこっと顔を出したモグラをノスリが奪っていく瞬間を見かけた高校生もいます。 この資料にある食物連鎖のピラミッドの底辺が大きければ大きいほど、より多くの生物を擁していくことができます。 ノウサギはまだいるようですが、キツネも住んでいたようです。イノシシやシカなどもいたでしょうから、 縄文人は、この恩恵に預かり南山で狩猟採集生活をしていました。縄文人の住居跡は、妙法寺周辺の開発現場で発見されています。


第四問:どうして森の中って気持ちいいの?


ツリーマンが言っていました。木々が語りかけていると。風が吹くと木の葉がこすれ音楽を奏でます。 鳥の声もそれに加わり、マイナスイオンに満ちあふれた澄んだ森の空気は心身ともに癒してくれます。 新緑は目に優しいし、南山には田舎で良く見かける送電線の鉄塔などもありません。都会の騒音もありません。 まわりに豊富に自然の恩恵があるのだということでDNAに刻まれた狩猟採集本能が満足されるような人もいるでしょう。


第5問:なぜ里山は豊かで色々な生物がいるの?


里山は人の手が加わった2次林です。 石炭や、石油が使われまでは、頻繁にクヌギやコナラなどは燃料して利用され、10数年置きくらいに根元から切り倒されました。 (切っても再生するのを萌芽更新とか「ひこばえ」なんて呼んだりします)また枝打ちをやったり、下草刈りにより、 地面に光が届き、会場でも見られたように色んな植物が芽をだしてきます。こういった植物はスプリング・エフェメラルと呼ばれ、 訪れる人の目を楽しませてくれます。南山では、シュンラン、キンラン、ギンラン、エビネなどの 日本産の欄なども数は少ないですが見られます。夏には、蝉やカブトムシ、クワガタムシや多くの昆虫がいる里山に変貌します。

稲城の昔話しによると、京王線と並行して走る三沢川には、ホタル、ウナギ、ナマズ、トウキョウサンショウウオ、 モクズガニなどが一杯いて、水も奇麗で飲めたそうです。南山は、1964年の東京オリンピック用の工事で 土砂採掘が行なわれ今の崖ができました。稲城駅周辺は、亀山という山があって京王線まで延びていたそうです。 昔は、この山がさらに多くの恩恵を三沢川にもたらしていたのでしょう。勿論、人口も極端に少なく、 すべてが里山生態系に組み込まれた自然のサイクルが機能していました。もし2016年東京オリンピックが実現したら、 その頃は、南山はどうなっているのでしょうか?タヌキさんたちが平和で暮らせる場所になっているかどうかは、 皆さんの社会の仕組みを変えていく働きかけにかかっているのかも知れません。  



ちーむポンポコ takさん出題

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